米沢市内には酒蔵が4つありますが、恥ずかしながら初めて地元の酒蔵を見学させていただきました。2月7日小雨降る日曜日、東光の酒蔵、小嶋総本店さんを見学。創業は安土桃山時代!日本で13番目に古い!現在の社長は24代目!とても歴史のある酒蔵です。

『伝統技術と近代技術の融合』とよく言われますが、現代の酒造りはまさにその言葉そのもの。というより安定した品質の酒、より優れた品質の酒、バラエティ豊かな酒と多種多様の要望がある現代には近代技術を取り入れていく必要があるそうです。精米後の米ぬかは飼料や堆肥に再利用するなど、廃棄物の出ない循環型生産にも取り組まれているとか。

近代技術の洗米機は、小さく削られた酒米を壊すことなく複数のシャワーで短時間で洗米、真っ白なとぎ汁が流れていきます。洗米完了したお米は純白、浸されている水も透明。きれいに洗米することが、酒質もきれいで繊細に仕上がる大切な工程。そして酒米の重量に合わせた洗米時間、浸す時間が管理されています。次に大きな釜で蒸しあげられ、蒸しあがったお酒米は大きなスノコに運ばれ、広げ一気に温度を冷まします。これば人力、冷まし加減も担当者の手で感じる温度で判断。これは伝承されている伝統技術。麹になる酒米は、麹菌が振られ、温かい麹室で麹になるまで過ごします。温度が高くなりすぎると天窓を開けて温度を下げ、雑菌が繁殖しないよう空気清浄機、保温には毛布やゴアテックス。とにかく良い麹になってもらう為に、できる手間は新旧の技術がいろいろ。かつては女人禁制と言われた麹室も見せていただきました。各段階ごとに3つある部屋を変えながら麹を育てているそうです。

小さなタンクに水と麹米で酒母を造ります。まだ馴染んでいない状態から発酵が進むと全体が馴染んできてモクモクと泡が膨らんできます。そしてその泡が落ち着いてくると酒母完成。水を酒米の入った大きなタンクに酒母が加えられ本格的な発酵が始まります。よく見かける櫂付きの様子はここで行われるわけです。

1斗入る瓶、斗瓶と言います。搾ったお酒を保存する瓶。「これから袋吊りするんで馴染ませてます」と、袋吊りとは袋にもろみを入れて、自然に落ちてくるお酒の雫を集めるという搾り方。昔から高級酒を搾る時に行われ作業です。現代の仕込みは温度管理や衛生管理上ホーロータンク、ステンレスタンクで行われていますが、かつては木桶や甕で行われていました。この木桶は一升瓶が約300本入る大きさだとか。かつての酒造りを再現する事も大切な意味があるという当主の考えから昨年末にこの木桶と甕を導入、これからこの木桶や甕でも酒仕込みが行われるそうです。その昔であればできなかった空調管理、温度管理などが可能な現代、昔ながらの道具でまた、違ったで新しい酒ができあがることでしょう。楽しみです。酒蔵見学はシャンプーハット、白衣、マスク、殺菌手洗いは必需品。酵母が働いている環境を邪魔しないように見学させていただくわけですから。

歴史ある建物の中には、歴史あるお酒が貯蔵されています。よく見かける茶色のP箱入りもあれば、斗瓶が可愛らしいバスケットに入っているもの。私が子供の頃はよく見かけた10本入りの木箱に入っているものなど、温度管理された部屋で、ゆっくりエイジング中。一番古いものは50年前のお酒もあるそうです。高く積み上げてある様子を見ると、地震来ませんように、と祈るばかりです。

約一時間かけて酒蔵見学の後、あったかいあま酒と、大きな大きなイチゴを頂きながら質疑応答の時間。

現代のお酒は食事との楽しむのが主流。「クリームシチューには日本酒がよく合いますよ」今度合わせてみようと思います。

有意義で楽しい時間、ありがとうございました。試飲の宿題が。。。また後日。