『揮毫』⇐この漢字読めますか?
一年前まで私は読めませんでした。 『きごう』と読むとわかったのは、昨年の雪上揮毫が時の宿すみれさんの庭を会場に開催されたのを見に行ってからです。福田房仙先生の雪の上に書かれた文字に感動し、何かしたいフラストレーション中だった私は、即お稽古の仲間に入れていただきました。

中学生の頃、ほんのちょっと書道教室に行ったことはあったけれど、数回行っただけ。。。 お稽古の雰囲気をSNSで見ていいると、楽しそうというかあったかそうとうか、なんだか違いそうな予感もあったから。。。一年前は見る側、一年たってスタッフ側になっていました。

100年に一度と言われる暖冬、打ち合わせしながらもあとは雪だけが心配tという日が続きました。開催の数日前少し降った雪、私は雪がこんなに待ち遠しいと思った事はなかったし、降った後のお日様がちょっと恨めしく思うなんて事もありませんでした。

いよいよ開催前日、会場となる上杉伯爵邸の庭には全く雪がない。。。房仙会山形校の千葉陽平リーダーは、会場に雪が無ければ運んでくればいい!と、同じ山形校の黄木綾子さんのお宿時の宿すみれさんの庭から雪を運ぶ決断。前泊で米沢入りの東京校、大阪校、三島校の皆さんと何度も何度も雪を運びステージを完成。たくさんの皆さんの協力があって出来上がったステージでした。前の晩は少し雨模様、これまた大丈夫なのか心配だったものの夜中に冷え込みがきつくなり、固まったステージは最高の状態に仕上がった訳です。

2020年1月25日「新・書芸術と新蕎麦の会ー書家 福田房仙の雪上揮毫と山形ちば吉の新蕎麦を楽しむ会」 晴天の空の下開催

山形校の千葉陽平リーダーは、米沢市南原でそばを育てています。その新蕎麦でまずはお食事会。会場は啓翁桜やだんごの木が飾られ、山形校メンバーの作品が展示されています。屏風型の展示枠も山形校メンバーの田中正之さんの手作り。正之さんは、県北の鶴岡市から県南の米沢市に房仙先生のお稽古を受けたくて通っているもの静かそうに見えて実は心に熱い炎がメラメラと燃えている男性です。
開演直前 、朱の着物の房仙先生と作務衣姿の千葉リーダー。受付担当の私たちと和やかに談笑しながら待っているように見えますが、リーダーは揮毫で墨を持つ大役で緊張Maxだったとか。。。

師は、長い時間かけて考え本番の朝に決めた一文字。弟子は準備段取り、そして当日の墨を持つという大役で食事も喉を通らない重圧。
今迄関わってきた人達への思いを伝える一文字の為に集中して、一気に解放させる瞬間。
凛とした空気が張り詰めている。
和太鼓が鳴り響く中、書き上げられた一文字「極」
息を飲みながら見つめる人。
涙を流しながら見つめる人。
この一文字の受け止め方も人それぞれ、でも心に響く一文字

雪のステージの隣には大きな半紙が広げられ、「継続は力なり」「生きる力」の二つの書がエネルギッシュに書き上げられました。

夜は房仙会の三島校、東京校、大阪校、米子校、山形校メンバーの雪上揮毫打ち上げ懇親会。参加者全員自己紹介。なんだか初めて会った気がしない温かい懇親会。ここでうれしいサプライズ。房仙先生が山形校のメンバーそれぞれに凧に一文字の作品をプレゼントしてくださいました。この凧のミニチュア版はお昼の新蕎麦の会参加のお客様皆さんへのプレゼントで、約60名分全て違う文字を書かれたそうです。

「酒」この凧は惠子ちゃんのために書いたからね。超うれしーーーー!!!

福田房仙先生が柱となって書道を学んでいる房仙会は、ただ書く事だけでなく、心のあり方もお稽古しているような気がしています。「類は友を呼ぶ」と簡単に言ってはいけないかもしれないけれど、熱い情熱の先生の元には、それに答えようと頑張る人が集まるのかも。千葉陽平リーダーは「なぜ書道やってるの?」と聞かれると「シンプルに房仙先生が好きだから」と答えるそうです。私は「どれに波動感じる?」と質問されても、まだ。。。。。としか言えないビギナーですが、50の手習いで始めた書道、ますます楽しくなってきました。